全脳組織開発帳

企業で人と組織の力を引き出す仕事をする中で学んだこと、感じたこと

退職

会社をやめた。

パナソニック株式会社に1988年から約34年間勤務した。うち4分の3くらいは技術開発の仕事(携帯電話関連が中心)をずっとやっていたのだが、紆余曲折あって「人と組織の力を引き出す仕事をしたい」と思い、組織開発の仕事を立ち上げた。2015年に人事に移ってそれを継続。10年近く、組織開発を仕事にしてきたことになる。小さなチームで会社全体に向け、様々な組織の支援、組織開発の知見を持つ人の養成、啓発活動などを行ってきた。

やりたいと思って自分で立ち上げた仕事。またこれからの企業の発展に向けて潜在的に求められている仕事。最近は、ほとんど知られていなかった「組織開発」というものがやっと広がっていく兆しを感じることができていた。

そんな状況でなぜ退職することにしたか。けっして会社がきらいになったわけではない。

一番よい言い方をすれば「やりきったから」ということになる。当初目指していた状態にはほど遠いのだが、なんとか道はつけられたという感触がある。

それよりちょっと生々しい言い方をすれば、「疲れたから」。走り続けてきてちょっと休みたいという気持ちが強い。

さらに露骨な言い方をするなら「飽きたから」というのもある。組織開発は奥の深い、どこまでいっても終わりのない旅だとは思うのだが、最近は自分にとっての学びが少なくなってきた気がしていて、「ああもう終わりにしようかな」と思うことが増えていた。

そして、よりフラットに言うなら「いったん区切りをつけて新たなステージに進みたくなったから」という理由になる。新たなステージといっても何をするのかまったく決めていないのだが、今まで踊らせてもらった会社という舞台をいったん離れて、別の舞台で元気よく踊ることを模索したい。

こう書いてみると、自分の仕事の価値というのは、最後は「どれだけ人の役に立っているか」よりも「自分にとってどういう意義があるか」で測るべきだと強く感じる。もちろん前者も非常に重要だし、人の役に立っていることが自分にとっての意義につながるので、話は簡単ではないのだが。

というわけで、無職になった。このブログでは、組織開発の活動をしていて、あるいは退職するにあたって、いろいろと感じたこと、これからのことについて思っていることなどをつらつらと書いていきたい。自分がこれからよりよく生きるためのメモとして、大切にしたいことをつづっていくつもりである。

P.S. 社内で発行していた「組織開発(OD)メールマガジン」に書いたコラムの転載も続けていきます