※社内メールマガジンに書いた文章を修正したものです
新規テーマを考えたり、戦略を策定したり、ビジョンを作ったりする時には、徹底的に強みに着目せよということが言われます。かのピーター・ドラッカーも、「強みのみが成果を生む。弱みはたかだか頭痛を生むくらいのものである」と言っています。
確かに、弱みをカバーすることばかり考えていては何も始まりません。でこぼこのある自分たちの、へこんでいるところをいくら埋めていっても、ただ丸くなっていくだけです。まずは、出っ張っているところはどこか、どこをどうやってもっと出っ張らせるか、尖らせるかを考える必要があります。
これまで、いくつかの組織でビジョン構築などの支援をしていて、強みに集中することのパワーをいつも感じています。
ただ、強みだけを見るというのはそれほど簡単なことではありません。考えているとどうしても、できていないところ、課題となっているところが見えて不安になってきます。 弱みを見ながら強みに着目できるほど人間は器用ではありません。不安を手放し、強みに集中しようと全員で意識して取りかからなければなりません。それは勇気のいることであり、チームの結束を必要とするのです。
また、何が強みなのかを知るのも、これまた簡単なことではありません。自分たちの強いところというのは自分ではなかなかわからないものです。
ドラッカーによれば、自らの強みを知るには「フィードバック分析」をするしかないそうです。何かをすることを決めたら、それに何を期待するかを書きとめておき、何ヶ月も経ってからその期待と実際の結果を照合するのです。
ドラッカーの言っているのは「未来の自分」がフィードバックするという方法ですが、他者からフィードバックをもらう方法もあります。「私(たち)の強みは何ですか?」と聞けばいいのです。強みを伝えてもらうというのは普段なかなかやらないことですが、とても意義のある関わり方だと思います。