全脳学習帳 組織開発

企業で人と組織の力を引き出す仕事をする中で学んだこと、感じたこと

ホワイトボードを活用しよう

※社内メールマガジンに書いた文章を修正したものです

会議や打ち合わせでホワイトボード、使ってますか? 「割と使ってるんじゃないかな…」と思っても、もっともっと使うようにしてみましょう。私はホワイトボード大好き人間で、昔から何かというとホワイトボードに書きます。一人でホワイトボードに書いて考えることもあります。

ホワイトボードの効用は2つあります。1つは、共通理解が促進されること。話し合いの過程では、どんな事実があるか、どんな課題があるか、どんな意見が出たか、何が決まったかなどの状況が刻々と変わっていきます。それらについてメンバー間で理解を合わせ続けるのは、口で話しているだけでは至難の業です。それらをホワイトボードに書いて目に見える形で共有することにより、共通理解を大きく助けることになります。

きれいにまとめようと考える必要はありませんので、とにかく出たことを書いてみましょう。余裕が出てきたら図や絵を描いたり色の使い方を工夫したりするとわかりやすくなります。最後に要点をまとめた上で写真を撮れば、それが議事録の代わりにもなります。

2つ目の効用は、メンバーの参加度が上がることです。書いたものが目の前で刻々と更新されていくことにより、話に参加しやすくなりますし、眠気も少しは減るでしょう。ここでおすすめしたいのは、席のレイアウトを工夫すること。可能なら全員がホワイトボードに向かって座る形にしましょう。少人数の打ち合わせなら、机をなくして椅子だけでホワイトボードに向かうのもよいです。みんなでキャンバスに絵を描いていく感じで話し合いを進められます。

さらに、ホワイトボードを使った会議をどう進めるか、ファシリテーターとしてはどう関わったらいいかを学ぶには、以下の本がおすすめです。

元気になる会議-ホワイトボード・ミーティングのすすめ方

元気になる会議-ホワイトボード・ミーティングのすすめ方

著者のちょんさんは、ホワイトボード・ミーティングを広める活動をされています。私もワークショップに参加したことがあるのですが、「ホワイトボードを活用すれば会議は必ずよくなる。そしてこれはスキルなので、練習すれば必ず身につけることができる」という信念を持っておられるのには感銘を受けました。

「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健)

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

※社内メールマガジンに書いた文章を修正したものです

この本、とにかく売れていて、いろんなところで紹介されているので、天邪鬼な私としては読むのに抵抗があったのですが、一度手にとったらはまってしまい、結局4〜5回読んでしまいました。

精神科医アルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」を対話形式で解き明かす本です。アドラーは心理学の世界ではフロイト、ユングと並ぶ三大巨頭の一人らしいのですが、日本ではあまり知られていなかったとか。私も知りませんでした。

アドラー心理学は、心理学というよりも生き方、特に他者への関わり方を説いています。中でも私に響いたのは、「自分の課題と他者の課題を分離し、他者の課題は切り捨てよ」ということと「自分が他者に貢献していると実感することが大事」ということ。これらの一見矛盾したことを目指すのが要なのだということに気づかされました。そのためには「嫌われる勇気」が必要なのです。

そして最後に、「チェックインの話」でも紹介した「今ここ」が登場します。こちらは人生における「今ここ」。「人生全体(過去・未来)にうすらぼんやりした光を当てるのではなく、『今ここ』に強烈なスポットライトを当てよ」というメッセージは深く刺さりました。

対話形式で読みやすく書かれていますので、興味のある方はぜひご一読を。

チェックインの話

※社内メールマガジンに書いた文章を修正したものです

今回のお題は「チェックイン」です。といっても、ホテルや空港の話ではありません。

対話の場やワークショップ、あるいは普通の会議を進行する時でも、最初に「チェックイン」の時間をなるべくとるようにしています。これ、おすすめです。やり方は様々ですが、その時感じていることを何でもいいので一人ずつ全員から短く話してもらう、ということが多いです。知らない人同士の場だと、同時に自己紹介をしてもらうこともあります。

このチェックイン、何のためにやるのでしょう?

「一言ずつ話すことによって全員が発言しやすくするため」「メンバーの状態を共有して関わりやすくするため」「遅れた人が来るまでの時間つなぎ(?)」など、いろんな目的があるのですが、一番の目的は「『今ここ』に集中していくため」だと思います。

前の会議のことが頭に残っている、今日作らないといけない資料が気になる… など、誰もが何らかのしがらみを抱えてそこに集まっていますし、なんとなく気分が乗らないということもあるでしょう。そんなとき、みんなの前で今の気持ちを口に出して共有すると、少し「今ここ」の場に入っていきやすくなります。「今ここ」に入っていくのは、たとえて言えば、剣道や柔道の道場に入る時に一礼する時の感覚です。

チェックインの時に話すことは、「今ここ」に入っていくために出してみたいと思ったことなら何でもいいのです。立派なことを言う必要はありませんし、本題に関係のないことでもかまいません。「さっきかかってきた電話が気になっています」でも「冷やし担々麺が食べられたので満足してます」でもいいですし、「本当はこんなところに出ている場合じゃないのにと思っています」というのもアリです。

会議の最初にみんなで「チェックイン」をしてみましょう。一言ずつならそれほど時間はかかりません。自分の中に何があるのかを「チェック」して、「今ここ」に「イン」していくために必要だと感じたことを口に出してみましょう。

ついでに書きますと、その後も「今ここ」にい続けるためのコツの1つとして「できるだけデジタル機器を使わないこと」があります。PCやスマートフォンは画面の向こう側に別の「世界」を持っているので、たとえ内職をしていなくても、使っているとついついその世界に入ってしまって「今ここ」にいにくくなります。車の運転中に携帯電話を使うと運転がおろそかになる(→法律で禁止されている)のと同じ理屈です。

といっても、資料を参照したり映したり、メモをとったりするために使わなければならないことは多いわけですが、話をする場では漫然とPCを開いておかずに、必要のない間は閉じる、スマートフォンは取り出さない、ということを心がけてみてはいかがでしょうか。

愛のある好奇心

私がコーアクティブ・コーチングの講座に通い始めたのは、2010年6月のことでした。

最初の基礎コースを受ける前に、「コーチング・バイブル」(当時は第2版)を読みました。内容はよくわからないことが多かったのですが、コーチングをするには人に対する「好奇心」(「5つの資質」の1つ)が大事だと書いてあったのが特に印象に残りました。私は自分のことを、人に対する好奇心を人一倍持っている人間だと思っていましたので、その点には自信を持ってコースに臨みました。

コーチングを実際に学び体験し始めてみると、好奇心というのは本当に大事な肝だということがわかってきて、めいっぱい好奇心を発揮してコーチングをやろうと思うようになりました。

一方、コースの中でクライアントとしてコーチングを受ける中で「あなたが何を大切にして生きているのか?」という問いを投げかけられることがあり、それに対して「愛と叡智です」と答えるようになっていました。愛と叡智。これらは今でも自分の根幹にあると感じています。2つともなくてはならないもの。どちらが欠けてもダメ。右脳・左脳統合ということにもつながる2つの要素です。

講座は応用コースに進み、その最後の3日間。その中でのあるワークで、私に対して同じ参加者の一人から投げられた言葉が深く突き刺さりました。

「『叡智』はわかったけど、『愛』が見えない!」

この時はコーチングをしていたわけではなかったのですが、「叡智」に比べて、私の言う「愛」がどんなものかよくわからない、あまり出てきていない、というコメントだったのです。

それについて考えているうちに、気づいたのです。

「自分の好奇心には『愛』が足りない」

私が「人一倍持っている」と思っていた好奇心は、人に対する好奇心ではなく、物に対する好奇心と同じでした。たとえば機械を見て「どうやって動くんだろう? 中身はどうなってるんだろう?」というような好奇心。

いや、同じではありません。けっして人を物と同じように見ていたわけではないのです。でも、人に対する時の好奇心はもっと違うものでなければ。愛のある好奇心を持たなければならない。そう感じました。コーチングで大事な好奇心は、人に対する好奇心、愛のある好奇心なのです。

以来、「愛のある好奇心」はずっと私のテーマになっています。コーチングをする時だけでなく、複数の人の集まる場をリード/ファシリテートする時、さらに言えば普通に人と会話する時でも、愛のある好奇心を持つ、というか、自分の中からそれを出してくるようにすること。終わりのないテーマです。